事業を立ち上げた直後、多くの経営者が「営業だけは自分でやらないと」と考えます。商品を一番理解しているのは自分であり、最初の顧客は自分の手で取るべきだ、と。
その気持ちは正しいのですが、立ち上げ期にこそ営業を外部に任せたほうが伸びる場面があります。弊社が営業代行をお引き受けする現場から、その理由を整理します。
「社長が一番の営業マン」が、成長の天井になる
立ち上げ期に社長が営業を抱え込むと、売上が社長の稼働時間で頭打ちになります。創業期は社長の熱量と商品理解が最強の武器になり、実際に最初の数件は社長が取るのが一番早い。ここまでは正しい。
問題はその次です。社長は営業だけをやっていればいいわけではありません。商品改善、採用、資金繰り、既存顧客の対応。営業に使える時間は日々削られていきます。
売上を伸ばすために営業を増やしたいのに、営業できる人間が社長ひとりしかいない。この状態が、立ち上げ期に最もよく起きる成長の天井です。
採用より外注が先である理由
「なら営業を採用すればいい」と考えるのが自然ですが、立ち上げ期の採用には二つの壁があります。
一つは時間。求人を出して、面接して、入社して、戦力化するまでには早くて三か月、実際には半年かかります。立ち上げ期の三か月から半年は、事業の生死を分ける長さです。
もう一つはコスト構造です。正社員を一人雇えば、成果が出ようが出まいが固定費が発生します。売上がまだ安定しない時期に、月々の固定人件費を背負うのは重い。
外注であれば、必要な期間だけ、必要な量の営業活動を、変動費として使えます。採用の前に外注を挟むのは、立ち上げ期のキャッシュフローに合った順番です。
外注が効くのは「型がまだない」フェーズ
意外に思われるかもしれませんが、営業代行が最も効くのは、営業の型が固まっていない立ち上げ期です。
型ができている会社は、その型を新人に教えれば回ります。型がまだない会社は、誰に何をどう売るかを試行錯誤しながら固めていく段階で、この試行錯誤こそ場数が要る作業です。
弊社が立ち上げ期の営業を代行するとき、単に架電やアポ取りを代行しているのではありません。「どのターゲットに、どの切り口で当てると反応が返るか」を、数をこなしながら見つけています。
この探索は、社長ひとりの稼働では圧倒的に足りません。外部の稼働を足すことで、型を見つけるまでの時間を短縮できます。
外注に「丸投げ」してはいけない
ここで一つ、釘を刺しておきます。営業代行は万能ではありません。商品の価値を語れるのは、最後は社長自身です。
外注が担うのは、見込み客との接点をつくり、興味の有無を見極め、商談の席まで運ぶところまで。そこから先の「なぜこの商品なのか」を伝える核の部分は、社長が握り続けるべきです。
丸投げして失敗するのは、この核まで外注に預けてしまうケースです。外注は「動かす手」を足すものであって、「決める頭」を代わりに持ってくれるものではありません。この線引きを最初に握っておくと、代行はよく効きます。
まとめ
立ち上げ期に営業を外注すべき理由は、①社長の稼働時間が売上の天井になるのを防ぐ、②採用より速く安く変動費で動かせる、③型がない段階の試行錯誤に場数を足せる、の三つです。ただし商品の核を語る役割は社長が握り続けること。ここを外注に渡すと丸投げになります。
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