この記事の結論
直営の飲食店が1〜2店舗でも、フランチャイズ化を考えること自体はできます。ただし、すぐに加盟店を募集できるかは別の話です。判断の基準は「オーナーがいなくても同じ味と品質で回るか」「加盟店がロイヤリティを払っても利益が残るか」「その店が選ばれる理由を言葉にできるか」の3つ。最初に整えるのは、店舗ごとの数字、標準レシピと作業の手順、屋号の商標の3つです。
「うちの店、フランチャイズにできるだろうか」。2店舗目が軌道に乗ったころ、こう考えはじめる飲食店のオーナーは少なくありません。
私は飲食・焼肉のフランチャイズで加盟開発の責任者を務めて50店舗の展開に関わり、立ち上げ間もない本部の加盟開発では3年で65店舗まで広げました。その経験から言えるのは、フランチャイズ化がうまくいくかどうかは、店舗の数よりも「最初に何を整えたか」で決まるということです。
この記事では、直営が1〜2店舗の飲食店がフランチャイズ化を考えるときの判断の基準と、最初に整えるべきことをまとめます。
1〜2店舗でも、フランチャイズ化は考えられる
フランチャイズ化に「何店舗以上でなければならない」という決まりはありません。大切なのは、店の数ではなく、ほかの人が同じやり方で同じ結果を出せるかどうかです。
その意味で、2店舗目の経験は大きな材料になります。立地もスタッフも違う店で、1店舗目と同じように売れたのか。売れなかったなら、何が違ったのか。この振り返りが、本部の仕組みの土台になります。
判断の基準は3つ
1. オーナーがいなくても、同じ味と品質で回るか
加盟店には、オーナーのような料理の腕も、店の歴史もありません。オーナーが厨房に立たない日でも同じ味が出せるか、未経験のスタッフでも仕込みと提供が回るか。ここが、フランチャイズ化の最初の関門です。
2. 加盟店がロイヤリティを払っても、利益が残るか
直営店で利益が出ていても、加盟店はそこからロイヤリティなどを本部に支払います。加盟店が初期投資を回収し、手元に利益が残る計算になるかを確かめます。考え方は「【FLコストとFLR】飲食フランチャイズ本部が加盟店に示すべき数字」で解説しています。
3. その店が選ばれる理由を、言葉にできるか
「なぜ、お客様はこの店を選ぶのか」。料理、価格、立地、雰囲気。理由を言葉にできれば、加盟店に何を守ってもらうべきかがはっきりし、加盟を考える人にも魅力が伝わります。
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「まだ早い」と考えたほうがいいケース
次のような場合は、フランチャイズ化を急ぐより、まず直営で型を固めることをおすすめします。無理に進めると、加盟店の経営がうまくいかず、本部の信用にも関わります。
- 開業から日が浅く、売上が季節や一時的な話題で大きく揺れている
- オーナーが毎日厨房に立たないと、味や品質が保てない
- 利益が薄く、ロイヤリティを払うと加盟店に利益が残らない
- 2店舗目が1店舗目ほど売れていない理由が、分かっていない
最初に整える3つのこと
1. 店舗ごとの数字
月ごとの売上、材料費、人件費、家賃、利益を、店舗ごとにそろえます。FL比率や原価率を店舗ごとに比べられるようにしておくと、加盟店に示す収支モデルの土台になります。
2. 標準レシピと作業の手順
料理ごとの分量・手順・盛り付けを、写真付きの標準レシピにします。あわせて、仕込みの量や開店・閉店の作業も書き出します。最初から完璧なマニュアルは必要ありません。今いるスタッフが実際に使える形から始めます。
3. 屋号・ロゴの商標
加盟店に使ってもらう屋号やロゴは、商標として守る必要があります。日本の商標は、先に出願した人が優先されるのが原則です。フランチャイズ化を考えはじめた段階で、登録の状況を確認しておきます。具体的な手続きは弁理士にご相談ください。
フランチャイズ化を進める順番
- 数字と作業を棚卸しする(上の3つ)
- 直営の2店舗目、または少数の加盟店で、再現できるかを確かめる
- 加盟店の収支モデルと、加盟金・ロイヤリティなどの条件を決める
- 契約書と、法定開示書面を準備する(弁護士などの専門家と)
- 1号加盟店を募集する(1号加盟店の選び方)
開業までの役所の手続きを本部としてどう支えるかは、「【飲食フランチャイズの開業手続き】本部が加盟店のために整えるべき手順」にまとめています。
よくある質問
直営が1店舗だけでも、フランチャイズ化の相談はできますか?
できます。ただし、1店舗だけでは「別の場所・別の人でも同じように売れるか」がまだ分かりません。まずは数字と作業を整理し、直営の2店舗目で確かめるか、少数の加盟店から始めるかを一緒に考えます。
フランチャイズ化には、どのくらい費用がかかりますか?
契約書、マニュアル、商標、加盟者を募る資料など、何をどこまで整えるかで大きく変わるため、一概には言えません。当社の支援は月額3万円からで、必要な工程だけをご依頼いただけます。
のれん分けとフランチャイズは、どちらが向いていますか?
長く働いた従業員に任せたいなら、のれん分けから始める方法があります。外部の方にも広げたいなら、フランチャイズです。違いは「のれん分けとフランチャイズの違い」で解説しています。
まとめ
直営の飲食店が1〜2店舗でも、フランチャイズ化を考えることはできます。判断の基準は、オーナーがいなくても回るか、加盟店に利益が残るか、選ばれる理由を言葉にできるかの3つ。最初に整えるのは、店舗ごとの数字、標準レシピと作業の手順、屋号の商標です。
自分の店が今どの段階にあるかは、無料の「フランチャイズ化 準備度チェック(20問)」で確かめられます。「まだ早いかどうか」も含めて相談したい方は、お問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。
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