フランチャイズへの加盟を考える人の多くが、ある段階で立ち止まります。資料を取り寄せ、説明会に出て、情報は十分に集めた。それでも、最後の一歩が踏み出せない。
実際、フランチャイズを検討している会社員を対象にした調査では、情報収集を終えた後でも9割を超える人が加盟をためらっているという結果が出ています(キャククル「フランチャイズ検討層の実態調査」2021年)。迷うのは、特別なことではありません。
私も、リラクゼーションサロン「ASIESTA」に加盟する前、迷いました。この記事では、何に迷い、何をして、どの瞬間に「決めた」のかを、加盟した当事者としてそのままお伝えします。
この記事の目次
私が迷ったのは、2つのこと
① 投資額と、それを回収できる見通し
加盟金、内装、設備、運転資金。開業には相応の投資が必要です。その投資を、どのくらいの期間で回収できるのか。ここが見えないうちは、決められませんでした。
② その業界に、将来性があるのか
投資を回収するには、何年も事業を続ける必要があります。数年後に需要がしぼんでしまう業界なら、どれだけ今が好調でも意味がありません。
最初に決めていた軸:「トレンド型」を選ばない
2つ目の迷いについては、実は検討を始める前から、自分の中に一つの軸がありました。
フランチャイズには、トレンドに左右されるものと、トレンドに左右されないものがあります。トレンド型の業態は、立ち上がりが早く、短期間で投資を回収できることもあります。その一方で、ブームが去れば需要も落ち着き、5年、10年と続くとは限りません。トレンド型が悪いのではなく、投資の考え方がまったく違うのです。
私は、長く続けて育てていく事業をやりたかった。だから、トレンドに左右されない事業を選ぼうと決めていました。条件はほかに2つありました。在庫を抱えない事業であること、そして大きな人件費を抱えない事業であること。トレンドに左右されず長く続けられる、在庫を持たない、人件費が重くのしかからない。この3つの条件で絞り込んでいった結果、最終的にリラクゼーションを選びました。体の疲れをほぐしたいという需要は、トレンドに関係なく、日常の中にあり続けます。3つの条件の中でも、トレンドに左右されないことは最も大きな判断軸でした。加盟を検討している方には、まず「この事業は、5年後・10年後も同じように求められているか」を自分に問いかけることをおすすめします。
本部づくり・加盟開発・加盟の検討。どの立場からのご相談でも、本部支援と加盟店運営の両方を知る立場からお話しします。
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迷いを減らすために、実際にやったこと
迷いは、考えているだけでは減りません。私が実際にやったことを挙げます。
- 既存店を見学する:店の雰囲気、お客様の層、スタッフの動きを自分の目で確かめる
- 複数の本部を比較する:一社だけを見ていると、良し悪しの基準が持てない
- 既存店の収支を見せてもらう:本部のモデル収支ではなく、実際に営業している店の数字を見る
- 自分で収支計画をつくる:見せてもらった数字をもとに、自分の出店予定地の条件で計算し直す
- 契約書を読み込む:自分の言葉で説明できるまで理解し、分からない点は担当者に確認する(詳しくは「期待と違った」の正体は契約書にある)
- 開業予定地の周辺を調べる:競合店の数や価格帯、人の流れを、自分の足で確かめる
もう一つ、物件探しは検討と同時進行で進めました。どれだけ事業が魅力的でも、条件に合う物件がなければ始められません。並行して探すことで、収支計画も具体的な物件の家賃や広さで組めるようになり、判断の精度が上がりました。ただし、加盟の判断が固まる前に物件の契約まで進めてしまうと、後戻りできなくなります。探すのは並行、契約は判断が固まってから、という順番が大切です。
「決めた」のは、3つがそろったとき
検討を始めてから決断まで、3〜6か月ほどかかりました。振り返ると、決め手は一つではなく、3つがそろった瞬間でした。
- 本部の代表と、直接話したとき:この人がどんな考えで事業をしているのかが、資料ではなく言葉で分かった
- 既存店を、自分の目で見たとき:数字や説明が、実際の店の姿と一致していることを確かめられた
- 数字が、自分で見えたとき:既存店の実際の収支をもとに自分で計画を組み、投資をどのくらいで回収できるかに納得できた
どれか一つだけでは、決めきれなかったと思います。人を信じられること、現場で確かめられること、数字で納得できること。この3つがそろって初めて、迷いが「決断」に変わりました。
本部の方へ:迷っている人の背中を押すもの
この経験を本部の側から見ると、加盟を迷っている人に何を用意すべきかが見えてきます。
- 代表や責任者が、直接話す場:考え方は、資料より人を通して伝わります
- 既存店を見学できる機会:説明と現場が一致していることを確かめてもらう
- 既存店の実際の収支:モデル収支だけでなく、実在店舗の数字を示す(情報開示の考え方は情報開示の記事で解説しています)
- 収支計画を一緒につくる姿勢:加盟希望者が自分の条件で数字を確かめられるよう支える
迷っている人は、押されたいのではなく、納得したいのです。急がせるより、納得できる材料を正直に渡す。それが結果的に、後悔のない加盟と、長く続く関係につながります。本部を選ぶときの見極め方は本当に良いフランチャイズ本部の見分け方でも書いています。
まとめ
情報を集めても、9割の人が迷います。迷いは悪いことではありません。大切なのは、迷いを減らすために自分で動くことです。トレンドに左右されない事業か。投資は回収できるか。代表と話し、既存店を見て、数字を自分で組む。私の場合、その3つがそろったとき、迷いは決断に変わりました。リラクゼーションサロンの開業について詳しく知りたい方はリラクゼーションサロン開業の完全ガイドもあわせてご覧ください。
※投資額や回収期間は、業態・立地・物件条件によって大きく異なります。個別の資金計画は、税理士や金融機関などの専門家にもご相談ください。
フランチャイズ加盟を検討中の方、加盟希望者への伝え方に悩む本部の方は、お問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。加盟した側と支援する側、両方の視点からお話しできます。
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加盟する側の本音シリーズ(全3回)
- 1. 良い本部の見分け方
- 2. 「期待と違った」の正体
- 3. 加盟を決めた瞬間この記事
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