フランチャイズ展開の速度を大きく左右するのが「法人加盟」です。1店舗ずつ個人加盟を積み上げる展開と、1社で5店舗・10店舗を展開できる法人パートナーを獲得する展開では、成長曲線がまったく変わります。法人加盟開発の実務を解説します。
法人加盟のメリットとリスク
法人加盟の魅力は、資金力・採用力・多店舗運営の経験値です。一方でリスクもあります。1社への依存度が高まるため、その法人が撤退を決めた場合の影響は甚大です。また、運営力のある法人ほど本部への要求水準も高く、契約条件の交渉もシビアになります。
狙うべきは「隣接業種で多店舗運営している企業」
有望な法人加盟候補は、すでに別業態で複数店舗を運営しており、既存の資産(立地・人材・顧客基盤)を活かせる新業態を探している企業です。たとえばガソリンスタンド運営企業は、好立地の敷地と整備スタッフを持ち、燃料油以外の収益源を求めています。こうした「既存資産と業態の適合性」から候補を逆算するのが、法人開発の基本です。
アプローチは「加盟募集」ではなく「事業提案」
法人に対して「加盟しませんか」という募集型の営業は響きません。「御社の既存店舗・人材で、この業態を導入すると収益がこう変わる」という事業提案の形にすること。相手の決算構造・店舗網を調べたうえでの個別提案が、法人開発の成約率を決めます。
加盟開発の進め方に迷ったら。現状をお聞きしたうえで、どこから手をつけるべきかを率直にお伝えします。
オンライン面談(Zoomなど)までは無料です。
法人加盟は「決裁の順番」を読む
法人相手の加盟開発が個人と大きく違うのは、意思決定が一人で完結しない点です。窓口の担当者がどれだけ乗り気でも、その上に役員会や社長の決裁があります。担当者を口説くだけでは前に進まず、担当者が社内で稟議を通せる材料をこちらが用意できるかが鍵になります。
弊社が法人加盟を提案するときは、目の前の担当者ではなく、その後ろにいる決裁者に何を見せれば通るかを一緒に設計します。既存加盟企業の実績、投資回収の見通し、撤退時のリスク。これらを担当者が社内で使える形で渡せるかどうかが、法人加盟の成否を分けます。
法人は何を見て加盟を決めるのか|加盟した側の実感
弊社アイピーデザインは、リラクゼーションサロン「ASIESTA」に法人として加盟し、店舗を運営しています。本部を支援する立場であると同時に、法人として加盟を決めた当事者でもあります。その経験から、法人が加盟を判断するときに見ているポイントを3つ挙げます。
※この記事は、法人の加盟を獲得したいフランチャイズ本部向けです。新規事業としてフランチャイズへの加盟を検討している法人の方は法人のフランチャイズ加盟|既存事業の資産を活かす新規事業をご覧ください。
① 本部の理念・ビジョン
法人の加盟は、数年単位で経営資源を投じる事業判断です。目先の収益モデルより、「この本部はどこを目指しているのか」「その方向に自社の事業を重ねてよいか」を見ます。私たちが加盟を決めた最大の理由も、本部の考え方への共感でした。
② 多店舗展開の余地があるか
法人にとって、1店舗だけで終わる加盟は魅力が小さい。1店舗目がうまくいったときに、2店舗目・3店舗目へ広げられる道筋があるか。出店できるエリアや本部の展開方針まで含めて確認します。
③ 経営者が現場に張り付かなくても、事業が回るか
これが、個人加盟と法人加盟で最も違う点だと感じています。個人オーナーは自ら現場に立つ前提で加盟しますが、法人の経営者は本業や他の事業も抱えています。経営者が多くの時間を割かなくても、店長やスタッフで運営が回る仕組みがあるか。ここが見えないと、法人は加盟に踏み切れません。
本部が法人向けに用意すべきもの
3つの判断軸を裏返すと、法人加盟を獲得したい本部が用意すべきものが見えてきます。
- ビジョンを語れる状態:条件や収益モデルの前に、本部が目指す姿を自分の言葉で説明できる
- 多店舗化の道筋:出店可能なエリア、2店舗目以降の支援内容、展開の目安を示せる
- 経営者不在でも回る証拠:店長に運営を任せている加盟店の実例、マニュアル、採用・教育の支援体制を見せられる
特に3つ目は、個人向けの加盟募集資料にはほとんど載っていません。法人を狙うなら、「オーナーが現場に入らない運営モデル」を一枚で説明できる資料を別途つくる価値があります。
私たちが法人提案で成約につなげた2つのこと
① 既存の資産との相性を、数字で示す
「良い業態です」ではなく、「御社の既存の立地や人員でこの業態を導入すると、収支はこう変わる」という形で示します。法人の意思決定者は、感覚ではなく自社の数字で判断します。相手の店舗網や人員配置を調べたうえで試算を出すことが、提案を「他人事」から「自社の検討事項」に変えます。
② 担当者と一緒に、決裁者向けの資料をつくる
法人加盟の最終判断は、窓口の担当者ではなく役員会や社長がします。担当者が社内で説明しやすいよう、決裁者が気にする論点——投資額と回収の見通し、本業への影響、撤退時の条件——を整理した資料を、担当者と一緒に仕上げます。担当者を「説得する相手」ではなく「社内で一緒に戦う仲間」にすることが、法人開発の要です。
まとめ
法人加盟は展開速度を一気に変える一方、依存リスクの管理が必要です。隣接業種の多店舗運営企業を「既存資産との適合性」で選定し、募集ではなく事業提案の形でアプローチする。弊社はこの法人開発の実務を、提案資料作成から商談同席までご支援しています。
法人加盟開発・事業提案についての無料相談は、お問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。
関連記事:【完全ガイド】フランチャイズ本部の作り方|立ち上げ・加盟開発・運営まで
ご紹介中の新規事業・フランチャイズ案件
アイピーデザインは、フランチャイズ本部の支援と並行して、自らもリラクゼーションサロン2店舗を加盟店として直営しています。直営店経営者の目線で確認した案件のみをご紹介しています。
しかも日本では、法人加盟は例外ではなく主流です。日本のフランチャイズ加盟者は7割以上が法人で、7割が個人であるアメリカとは逆の構造になっていることが、研究でも明らかにされています(科学研究費助成事業 研究成果報告)。法人加盟をどう獲得するかは、日本の本部にとって避けて通れないテーマです。
- 格安レンタカー事業(65店舗)— SS・整備工場の既存アセットを活かせる新規事業
- LifeFit(24時間スマートジム)(全国350店舗突破)— アプリ完結・無人運営のフィットネスフランチャイズ
- ASIESTA(リラクゼーションサロン)(40店舗)— 当社自身が2店舗を直営する案件
各案件の詳細は新規事業・フランチャイズ案件紹介をご覧ください。投資額・収支モデルなどはお問い合わせいただいた方に個別にご案内します。
加盟開発シリーズ(全8回)
\ 無料ダウンロード /
あなたの事業は、フランチャイズにできる?
20の質問でフランチャイズ化の可能性を自己診断できる「診断チェックリスト」を無料で配布しています。本部化を検討する、最初の一歩にどうぞ。
▶ 無料でダウンロードする